社会知能研究会の趣旨

環境知能から社会知能へ

本研究の前身である環境知能研究会は,従来の人工知能や知能ロボット研究で行われていた行為主体単体に閉じた知能の研究ではなく,行為主体と行為対象間の相互作用に存在する知能の源泉(環境知能)を探求することを目的とし,平成12年度より9年間活動してきました。これまでの研究会活動により,人工知能・知能ロボットの研究者だけでなく,心理学・認知科学・医学等の第一線の研究者,ロボットや環境のデザイナー,技術導入時の法的問題を扱う弁護士などとの議論・交流を深め,その活発な議論から環境知能という概念が形成され,本研究領域に浸透してきました.また,これまで扱ってきた議論の中で,医学との係わりや,技術導入時の社会的影響・法整備問題などは,喫緊の課題として特に注目を集めていることが明らかになってきています。

社会知能研究会は,これまでの環境知能研究領域における科学的側面,工学的側面に関する議論に加え,近年注目されているブレイン・マシン・インタフェースや生体ゆらぎなどの生命科学的な概念を取り込んだ異分野との連携の側面からの議論,環境知能本研究領域における技術を導入する際の社会的な影響に関する議論を行う場として,発足しました。この社会知能とは,環境を含む社会でのロボットのあるべき姿を構築するために,環境知能を源泉とし,医学,生命科学などの支流が合流した先にある知能を意味しています。

社会知能研究会対象領域

広くは,人間やロボットなど,環境を含む社会と相互作用するものすべてを取り扱います.ただし,問題意識は常に社会(社会には,環境だけでなく,他の人間やロボットをも含む)との相互作用に置きます.具体的な話題としては,

  • 多数の視覚センサや触覚センサを用いた人間・ロボットの行動認識
  • ヒューマノイドロボットやアンドロイドと人間の相互作用の解析
  • 実社会環境での人間・ロボット間の社会的相互作用の解析
  • システムによる認識結果の言語化による相互作用の構造発見
  • システムの認識結果に基づく相互作用の社会心理学的説明
  • ロボットやアンコンシャスセンシング技術の導入による実社会への影響の検討
  • ブレイン・マシン・インタフェースなどの脳科学に基づく人間・ロボット間の社会的相互作用の解析
  • 生体ゆらぎなどの生命科学的な概念による人間・ロボット間の社会的相互作用の構造発見及びその解析 などを中心的なものとして想定指定します。

運営方針

環境知能という概念は,近年少しずつ定着しつつありますが,社会知能は新しい概念であるため,まだ広く知れ渡ったものではありません。本研究会の目的は,この未成熟な概念を確信のもてるものにすることです。そのため,本研究会がポジティブにもネガティブにも興味と理解を持つ研究者たちとの密な議論を展開できる場となり,その概念を検討する具体的な研究テーマがいくつも生まれてくることが重要です。また,これまでは学術的な議論が主でしたが,環境知能に関する科学技術が産業・社会に少しずつ定着しつつある昨今では,産業化・法整備などを見据えた議論が必要になっています。そこで,参加者は工学関係者に限定するものでは決してなく,心理学・認知科学・医学・産業界・法曹界等幅広い分野からの参加を広く募ります。

基本的には1年に3回程度の研究会を開催し,場所は,大阪大学関連施設およびATR知能ロボティクス研究所などを予定しています.


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2013-10-24 (木) 21:53:24 (1431d)